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「野菜や果物、加工品をつくっているけれど、直販の売上をもっと伸ばしたい」「SNSがいいと聞くけれど、ECサイトとどう組み合わせればいいのか分からない」。愛媛で農業・生産を営む方から、こうした声をよく聞きます。直販とSNSは、それぞれ役割が違います。このコラムでは、苔の栽培から直販まで手がける西予苔園の実例をもとに、EC・YouTube・Instagramの役割分担を整理します。
直販を「点」で終わらせず、EC・YouTube・Instagramで「線」にします
農産物の直販というと、道の駅や直売所、マルシェでの対面販売を思い浮かべる方が多いかもしれません。これらは「その場で買ってもらう」点の販売です。悪いことではありませんが、天候や来場者数に売上が左右され、リピートにもつながりにくいという弱点があります。SNSとECを組み合わせる狙いは、この「点」の販売を、継続的に買ってもらえる「線」の関係に変えることです。
そのために、3つの手段をそれぞれの得意分野で使い分けます。役割を混同すると「YouTubeを頑張っているのに売上につながらない」といったすれ違いが起きます。まず、それぞれが何を得意とするのかを整理します。
EC・YouTube・Instagramの役割分担
ねざしマーケティングでは、次のように役割を切り分けて考えることをおすすめしています。
- EC(オンラインストア)注文と決済を完結させる、直販の最終的な着地点です。ここがなければ発信しても売上になりません
- YouTube栽培・生産の知識を検索経由で長く届け続け、全国の「育て方を知りたい人」に信頼を育てて、EC・購入につなげます
- Instagram日々の作業や収穫の様子を発見してもらい、近隣のお客様やリピーターとの関係を積み重ねます
つまり、遠方の「探している人」に専門性を届けて信頼を育てたいならYouTube、近隣のお客様やリピーターとの日々の関係づくりならInstagram、そして注文・決済の受け皿としてECを用意する、という組み立てになります。どのチャネルから力を入れるかは、SNS集客の始め方のコラムで触れた「誰に届けたいか」から逆算して決めると、迷いにくくなります。
実例——苔の栽培から直販まで手がける西予苔園のEC×YouTube
その役割分担を、私たち自身が自社で実証してきました。ねざしマーケティングが運用する西予苔園は、愛媛県西予市で苔やテラリウムを栽培し、直販まで手がける生産者です。栽培者が自ら発信するYouTubeチャンネルは、2026年7月時点で登録者1.41万人・動画177本まで育ち、全国の「育て方を知りたい人」を継続して集める入口になっています。詳しい経緯は西予苔園・苔庭ドクターの実績ページにまとめています。
農家の直販に置き換えると、腑に落ちやすいはずです。「買う前に、おいしいか・自分でうまく扱えるか不安」という気持ちは、野菜でも果物でも苔でも変わりません。西予苔園はその不安に、栽培者だからこそ話せる育て方や選び方で応え続けました。先に役立つ情報を手渡し、買うかどうかは相手に委ねる。この順番だからこそYouTubeが信頼の入口になり、そこからBASEやShopify(Bioloark Japan)のオンラインストアへ注文がつながっています。動画側の設計は愛媛のYouTube運用・動画制作のコラムで詳しく扱っています。
同じ運営者が造園業者向けに展開する「苔庭ドクター」では、Instagramのリールが60日間で12万回を超えて再生され、その大半を既存フォロワー以外の新規層が占めました。ここから見えるのは、扱うテーマを狭く絞り込むほど、それを探している新しい人に見つけてもらいやすくなるということです。農家の直販でも、YouTubeやリールで「この作り手から買いたい」と思う遠方の新規客を掘り起こし、Instagramの日常発信で一度つながったお客様との関係を続けていく、という2つの役割を、それぞれの得意に合わせて使い分けられます。
SNSは「誰が」続けるかで体制が変わります
役割分担が決まっても、実際に撮影・投稿を続けるのは、農作業と並行して行うには負担になりがちです。個人や家族経営で運営している場合と、複数人のスタッフがいる場合とでは、無理のない体制も変わります。
- 自分で発信を続けたいプロフィールや投稿の型を整え、実務は自走できるように伴走してもらう形です
- 撮影の時間だけが取れない月1回まとめて素材を撮影してもらい、編集や投稿は自分で行う形です
- 企画から投稿・分析まで任せたい月間の運用ごと任せ、繁忙期は生産に集中する形です
ねざしマーケティングでは、個人事業主・一人経営の方向けの事業主向けSNS発信伴走プログラム(6ヶ月・月額50,000円・税別)や、SNS戦略診断・アカウント初期設計(80,000円・税別)、月1回の撮影を代行するSNS撮影代行サービス(80,000円・税別・交通費別)など、必要な範囲だけを選べる料金をSNS集客支援のページで公開しています。EC自体の構築・運営は事業者側で進めていただく前提になりますが、EC・YouTube・Instagramの役割分担と、そこへ人を連れてくる発信の設計は、無料相談から一緒に整理できます。
まとめ——ECは着地点、SNSは信頼を育てて人を連れてくる役割です
愛媛の農家が直販でSNSを使うときは、EC・YouTube・Instagramをひとまとめに考えず、役割で切り分けます。
- EC注文と決済を完結させる着地点にします
- YouTube遠方の「探している人」に専門性を届けて、信頼を育てます
- Instagram近隣のお客様やリピーターとの、日々の関係づくりに使います
苔の栽培から直販まで手がける西予苔園も、特別な演出ではなく、育て方を惜しみなく伝え続けたことが信頼につながりました。うちの場合はどこから手をつけるべきか、そこから一緒に整理したい方は、下の無料相談をお使いください。
よくあるご質問
愛媛の農家がSNSを始めるなら、EC・YouTube・Instagramのどれから手をつければよいですか?
まずは、注文と決済を受け止めるECの土台があるかを確認してください。ECが整っていない状態で発信だけ増やしても、興味を持ってくれた人が購入までたどり着けません。ECの土台ができたら、遠方の「探している人」に届けたいのか、近隣のお客様やリピーターとの関係を深めたいのかによって、YouTubeとInstagramのどちらを優先するかが変わります。最初から両方を完璧に運用しようとせず、今いちばん足りていない役割から着手することをおすすめします。
苔のような特殊な作物だから成功したのではないですか?普通の野菜や果物でも通用しますか?
作物の特殊さより、「栽培している人だから話せること」があるかどうかが重要です。野菜や果物でも、品種の選び方、旬の見分け方、保存方法、おすすめの食べ方など、生産者だからこそ伝えられる情報は必ずあります。むしろ身近な作物のほうが、視聴者が自分ごととして受け取りやすい面もあります。大切なのは珍しさではなく、「買う前に役立つ情報を惜しみなく届ける」という姿勢を続けられるかどうかです。
撮影や発信の時間がなかなか取れません。それでも続けられますか?
完璧に毎日発信する必要はありません。収穫や出荷、袋詰めといった日々の作業そのものが、そのまま発信の素材になります。作業の合間にスマートフォンで短く撮っておき、まとめて投稿する形でも十分です。それも難しい場合は、月1回まとめて素材を撮影するSNS撮影代行サービスや、投稿の型づくりを伴走するプログラムで、無理のない範囲から始める方法もあります。大切なのは、頻度より続けられる仕組みを選ぶことです。
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