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「雑貨を並べてInstagramに載せているけれど、来店にはつながっていない気がする」——愛媛で小売店や雑貨店を営む方から、こうしたご相談をいただくことがあります。商品の写真はきれいに撮れているのに反応が薄いとき、足りていないのは写真の質ではなく、「なぜこの店で買うのか」が伝わる情報であることがあります。このコラムでは、小売店・雑貨店の発信をどう組み立てるかを整理します。
雑貨店が比べられている相手
雑貨店の商品は、同じものや似たものがネット通販でも手に入ることが少なくありません。お客様は近くの同業のお店だけでなく、スマートフォンで数分あれば買えるネット通販とも比べています。
品揃えや価格で比べられると、個人の小売店は分が悪くなります。一方で、ネット通販にはできないこともあります。誰が選んだのか、なぜこの商品なのか、実物を手に取って確かめられるかという点です。
愛媛でも、市街地を離れると店の前を通る人の数は限られます。偶然の来店だけに頼るのは難しいからこそ、来る前から「この店に行く理由」を知ってもらう発信が意味を持ちます。
商品写真だけの投稿に足したい3つの情報
商品の写真だけを並べた投稿は、カタログとしては分かりやすいものの、この店で買う理由までは伝わりにくくなります。写真に添える文章に次の3つを足すと、投稿の役割が変わります。
- 選んだ理由——なぜこの商品を仕入れたのか、店主が何に惹かれたのかを書きます。「作り手の工房で手に取ったとき、持ち手の重さがちょうどよかった」のような一言で十分です
- 合う人・合う場面——「来客の多い玄関に」「ひとり暮らしの小さな棚に」など、使う場面を具体的に書きます
- 店で確かめてほしい点——色味や手ざわり、大きさなど、写真では伝わりにくい部分を挙げて、実物を見に来る理由にします
この3つは、店頭でお客様に話していることを、そのまま文字にしたものです。接客のなかで自然に話している内容こそ、ネット通販の商品ページにはない情報になります。
書くのが苦手な場合は、商品を手に取ったお客様に何を話したかを、その日のうちにメモしておくと材料がたまります。よく聞かれる質問も、そのまま投稿の文章に使えます。
一点ものや数の少ない商品を投稿するときの扱い
雑貨店ならではの悩みが、一点ものや入荷数の少ない商品の扱いです。投稿を見て来店したのに売り切れていたという経験は、お客様にとって残念なものになります。
- 売れたら投稿に書き足す——キャプションの冒頭に「売り切れました」と追記し、次の入荷予定があれば添えます
- 取り置きの受け方を決めておく——DMで受けるのか、電話で受けるのか、何日まで取り置くのかを決めて、プロフィールに書いておきます
- 入荷の知らせはストーリーズで出す——24時間で消えるストーリーズで入荷を知らせ、フィードには定番の商品や店の考え方を残します
取り置きや問い合わせの受け方を始める前に決めておくと、反応があったときに慌てずに対応できます。ルールがないまま始めると、DMへの返信が遅れたり、対応がお客様ごとに変わったりして、せっかくの反応を来店につなげにくくなります。ストーリーズの使い方は、ストーリーズで常連のお客様との関係を続けるコラムでも整理しています。
Googleマップで店を探す人への備え
Instagramが、すでに店を知っている人との関係を深める場所だとすると、Googleマップはまだ店を知らない人が近くの雑貨店を探すときの入口です。観光で愛媛を訪れた人が、旅先で立ち寄れる店を探す場面も同じです。
店名を知らないお客様は、地域名や「雑貨」「ギフト」といった言葉で探します。カテゴリの設定と、店内の棚や商品の写真がそろっているかを確認してください。営業時間が実際と違っていると、来店した人が店の前で引き返すことになります。表示されない・順位が上がらないときの確かめ方は、Googleマップの順位が上がらない原因を切り分けるコラムで整理しています。
発信が来店につながっているかを確かめる方法
発信を続けていると、フォロワー数や「いいね」の数が気になってきます。ただ、小売店・雑貨店にとって大切なのは、投稿を見た人が実際に店に来ているかどうかです。確かめ方を先に決めておくと、何を続けて何をやめるかを判断しやすくなります。
- 会計のときに一言聞く——「何を見て来てくださいましたか」と聞き、Instagram・Googleマップ・知人の紹介などに分けて、紙に正の字で数えます
- Instagramのインサイトを見る——投稿ごとの「いいね」より、プロフィールへのアクセスがどれくらいあったかを確認します。プロフィールに住所を登録していれば、住所のタップ数も見られます
- Googleビジネスプロフィールの数字を見る——管理画面のパフォーマンスで、ルート検索や電話の件数が月ごとにどう変わっているかを確認します
会計のときに聞く方法は手間がかかりますが、どの発信が来店に効いているかが直接分かります。1か月だけでも続けると、よく見られている入口と、手をかけても来店につながっていない入口の違いが見えてきます。投稿の頻度に迷ったときは、インスタの毎日投稿は必要かを検証したコラムも参考にしてください。
西予苔園が、売る前に伝えてきたこと
私たちの自社事業である西予苔園は、愛媛県西予市で苔を栽培し、苔やテラリウムを販売しています。雑貨店とは業種が違いますが、暮らしになくても困らないものを、選んで買ってもらうという点では近い立場にあります。
苔に興味を持っても、自分で育てられるか分からない。そうした購入前の不安に対して、西予苔園では栽培している人だからこそ出せる育て方や管理方法を、先にYouTubeで発信してきました。信頼が育ったところに、オンラインストアへの導線を設けています。
YouTubeの登録者は2026年7月時点で1.4万人になり、全国からの販売や講座の申し込みにつながっています。商品を並べて見せるより先に、選び方や使い方を渡すという順番は、店頭で接客している小売店・雑貨店でもそのまま使えます。
まとめ——「この店で買う理由」を、日々の発信で少しずつ伝えます
愛媛の小売店・雑貨店がネット通販と比べられるなかで選ばれるには、商品そのものに加えて、店が持っている情報を届けることが大切です。
- 比べられている相手を知る——近くの同業だけでなく、ネット通販とも比べられています
- 写真に3つの情報を足す——選んだ理由、合う人・合う場面、店で確かめてほしい点を書きます
- 一点ものの扱いを決める——売り切れの追記、取り置きの受け方、入荷の知らせ方を先に決めます
- Googleマップを整える——店を知らない人が探すときの入口として、カテゴリと写真を確認します
- 来店につながっているかを確かめる——会計のときに聞き、インサイトやパフォーマンスの数字と合わせて見ます
自分の店では何から始めればよいか整理したい方は、SNS集客支援のページもご覧ください。
よくあるご質問
店主の顔を出さないと、発信の効果は出ませんか?
顔を出さなくても始められます。大切なのは顔そのものより、誰がどんな基準で商品を選んでいるのかが伝わることです。手元だけを映して商品を紹介する、文章で選んだ理由を書く、といった形でも十分に伝わります。続けるうちに抵抗がなくなれば、店頭に立つ姿を少しずつ見せていけば構いません。
フォロワーが少なくても、来店につながりますか?
つながります。小売店・雑貨店の発信は、全国の人に広く見てもらうことより、来店できる範囲の人に店を知ってもらうことのほうが大切です。フォロワーが数百人でも、その多くが近くに住む人や一度来店した人であれば、入荷の知らせや新しい商品の紹介が、次の来店のきっかけになります。数を追うより、投稿を見て来た人がどれくらいいるかを店頭で聞いてみてください。
ネットショップも始めたほうがよいですか?
急いで始める必要はありません。まずは実店舗への来店を目的に発信を続け、遠方の方から「送ってもらえますか」という問い合わせが届くようになってから検討しても遅くありません。ネットショップは、開いただけでは見つけてもらえず、商品の撮影や発送の手間も増えます。問い合わせが増えてきた段階で、よく聞かれる商品から少しずつ載せていく進め方が無理のない形です。
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