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「リールとフィード投稿はなんとか続けているけれど、ストーリーズは何を出せばいいか分からず、結局お知らせだけになっている」——SNS運用のご相談を受けていると、この声をよく聞きます。新しいお客様を増やす投稿には力が入る一方で、すでに来てくれている常連のお客様との関係づくりは後回しになりがちです。このコラムでは、ストーリーズが「新しい人に見つけてもらう」投稿とは別の役割を持つことを整理し、常連との関係を続けるための具体的な使い方まで解説します。
投稿とストーリーズは、そもそも届く相手の性質が違います
リールやフィード投稿は、フォローしていない人にもおすすめとして表示される仕組みを持っています。新しいお客様と出会う入口として働きやすい場所です。一方でストーリーズは24時間で消える性質上、すでにフォローしてくれている人のタイムライン上部に表示される比重が高く、外へ広がる力はそれほど強くありません。
私たちが運用する「苔庭ドクター」のアカウントでも、この違いがはっきり出ています。60日間の閲覧数128,673回のうち、リール動画は約12万回に達した一方、ストーリーズの閲覧は5,496回にとどまりました。数としては小さいものの、これは失敗ではありません。ストーリーズは、外へ広く届ける場所ではなく、すでにつながっている人に届ける場所として働いているということです。
リールとフィードの役割の違いは別のコラムで詳しく整理していますが、ストーリーズはさらにその内側、フォロワーとの距離を縮める場所に位置づけられます。
ストーリーズが「常連との関係」に向いている3つの理由
なぜストーリーズが既存のお客様との関係維持に向いているのか、理由を3つに分けて整理します。
24時間で消えるので、気軽に出せます——フィード投稿は残り続けるため、完成度を気にして手が止まりやすくなります。ストーリーズは翌日には消えるからこそ、仕込みの途中や店内の何気ない瞬間もそのまま出しやすくなります
1日に複数回出しても嫌がられにくいです——フィード投稿を1日に何度も出すとタイムラインを占領してしまいますが、ストーリーズは画面上部の丸いアイコンにまとまるため、複数回の更新でも受け取る側の負担になりにくい形式です
スタンプ機能が、双方向のやりとりを生みます——質問スタンプや投票スタンプを使うと、お客様から返信や反応が返ってきます。お店から一方的に発信するだけでなく、お客様の声を拾う場としても機能します
毎日出せる、常連向けストーリーズの5つの型
理由が分かっても、毎回何を出すか考えていては続きません。次の5つの型を決めておくと、日々のネタ選びに悩まずに済みます。
仕込み・作業の裏側——完成した商品だけでなく、そこに至るまでの手元や工程を見せます。フィード投稿には出しにくい、ラフな瞬間のほうがストーリーズには向いています
質問・投票スタンプで声を拾う——「次の新メニュー、どちらが気になりますか」といった投票や、「今日は何を頼みましたか」といった質問を添えると、お客様からの反応を継続的に受け取れます
来店してくれたお客様の投稿を紹介する——お客様がタグ付けして投稿してくれた写真を、本人の了承を得たうえで再投稿します。紹介されたお客様は喜び、見ている常連にも「また行こう」という気持ちが生まれます
入荷・完売・臨時休業などのリアルタイム情報——フィード投稿を作るほどではない細かな情報も、ストーリーズなら気軽に出せます。既存のお客様ほど、こうした最新情報を必要としています
よく聞かれる質問だけをハイライトに残す——ストーリーズは24時間で消えますが、ハイライト機能を使えば常設の案内として残せます。アクセス、営業時間、予約方法など、繰り返し聞かれる内容をまとめておくと、常連にも新しい人にも役立ちます
続けるコツは、出す時間を営業の流れに組み込むことです
型を決めても、「時間があるときに出そう」と思っているうちは続きません。出すタイミングを営業の流れの中に固定してしまうほうが確実です。
飲食店なら仕込みの終わり、物販なら開店前の陳列後、施術業なら最後のお客様を見送ったあと、といった具合に、もともと手が空く瞬間に紐づけます。新しく時間をつくろうとすると、忙しい日から順に飛んでいきます。
間隔も意識してください。毎日1回のほうが、週末にまとめて5回出すより届きます。数日空くと、次に出したときに見てもらえる順番が下がりやすくなるためです。忙しい日は写真1枚だけでも構わないので、途切れさせないことを優先してください。
出してよい情報と、出さないほうがよい情報の線引き
ストーリーズは気軽に出せる分、線引きを決めておかないと後で困ることがあります。投稿する前に、次の点だけは確認しておいてください。
スタッフが写る投稿は、本人の同意を得てから出します——顔出しへの抵抗感は人によって違います。断りやすい聞き方をしてください
お客様の写真を再投稿するときは、必ず本人の許可を確認します——タグ付けされているからといって、無断で使ってよいわけではありません
値引きや特典の告知に偏らせません——毎日出し続けると、常連のお客様ほど「安くならないと来なくていい」という印象が定着しやすくなります。告知と日常の投稿は、意識して混ぜてください
衛生面や企業秘密にあたる工程は避けます——仕込み中の生の様子を見せる場合も、映してよい範囲を先に決めておきます
迷ったときの基準はひとつです。「これは、来てくれた常連のお客様が見て嬉しい内容か」を先に考えてください。売り込みたい気持ちが先に立つと、この基準からずれていきます。
実例に見る、関係が変わる過程
先ほど紹介した苔庭ドクターのアカウントでは、リールが新しい相談先との出会いを生み、ストーリーズが既存のフォロワーとの接点を保つという役割分担が見えました。運用1か月・14投稿の段階で初回相談と案件受注が発生しており、フォロワーが少ない時期から新規と既存、両方の接点が同時に動いていたことになります。
ラーメン店の麺や一心では、以前のInstagramは月替わりメニューや臨時休業といった営業案内が中心でした。10周年に向けて店主の想いと10年間の物語を継続して発信したことで、お客様が店主の想いを知り、応援し、来店という行動で返せる場所へと役割が変わっています。約1か月でフォロワーは約500人増え、10周年当日は100組以上が順番を待つ行列になりました。
2つの事例に共通するのは、毎日の小さな発信を続けたことで、すでに知っている相手との距離が縮まったという点です。ストーリーズはこの「毎日の小さな発信」にもっとも向いている形式であり、フィード投稿やリールでは出しにくい日常の温度を運ぶ役割を担います。
まとめ——ストーリーズは、常連との距離を縮める場所です
ストーリーズは、新しいお客様に見つけてもらう場所ではなく、すでに知ってくれているお客様との関係を続ける場所です。投稿の役割を分けて考えるだけで、何を出すか迷う時間が減っていきます。
役割を分けて考えます——リールとフィードは新しい出会い、ストーリーズは既存のお客様との関係維持を担います
5つの型を決めておきます——裏側・質問投票・お客様紹介・リアルタイム情報・ハイライトを回せば、毎回悩まずに済みます
出す時間を営業に紐づけます——空き時間を待つのではなく、もともと手が空く瞬間に固定します
線引きを先に決めます——同意の確認と、告知に偏らせない配分を守ります
今のストーリーズの使い方が常連との関係づくりに合っているか確認したい場合は、SNS運用・伴走支援もご覧ください。
よくあるご質問
ストーリーズは1日に何回くらい出すのが適切ですか。
上限を気にするより、続けられる回数から決めてください。目安としては1日1〜3回で、まとめて出すより時間を空けたほうが目に触れる機会が増えます。ただし回数より大事なのは間隔です。3日空くと、次に出したときの表示順が下がりやすくなります。毎日1回のほうが、週末にまとめて5回出すより効きます。忙しい日は営業前の1枚だけでも構わないので、途切れさせないことを優先してください。
見てくれる人が数人しかいません。続ける意味はありますか。
あります。ストーリーズはもともと広く届く場所ではなく、すでにつながっている人に届く場所です。私たちが自社で運用するアカウントでも、60日間でリールが約12万回に対しストーリーズは5,496回でした。数の差は役割の差であって、失敗ではありません。数人でも、その数人が来店してくれる常連なら十分に価値があります。広げたいならリール、関係を保ちたいならストーリーズ、と役割を分けて考えてください。
お客様の投稿を紹介したいのですが、毎回許可を取るのは手間です。
手間でも、その都度確認してください。タグ付けされていること自体は「紹介してよい」という意思表示ではありません。ただ実務上は、DMで一言送るだけで済みます。「素敵な写真なので、お店のストーリーズで紹介させていただけませんか」と聞けば、多くの場合は喜んでもらえます。断られたときのために、顔や個人が特定できない構図の写真を選んでおくと、判断が軽くなります。
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