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「SNSはうちで内製化したほうがいいのか、いっそ全部お任せしたほうがいいのか」——SNS運用のご相談を受けていると、こうした質問をよくいただきます。結論からいうと、外注と内製のどちらが正解かは会社によって変わり、しかも同じ会社の中でも時期によって変わります。このコラムでは、判断のよりどころになる3つの軸と、そこから見えてくる3つの形を整理します。
「外注か内製か」を一言では決められない理由
外注と内製、どちらが良いかとよく聞かれますが、この質問にはもう一段階手前の問いが隠れています。それは「何のためにSNSを使うのか」という目的です。目的が違えば、同じ会社でも出す答えは変わります。
期間限定のキャンペーンを大きく届けたい場合と、5年後も自社の言葉で発信を続けたい場合とでは、必要な支援の形がまったく異なります。Web集客の代行と伴走の違いのコラムでも触れているとおり、「誰が手を動かすか」という一点だけでも判断は分かれます。SNSではそこに投稿頻度と反応の速さという要素が加わるため、判断軸をもう少し細かく分けて考える必要があります。
軸1 時間——社内に、投稿を作り続ける時間があるか
いちばん分かりやすい軸は時間です。SNS運用は、投稿する瞬間より、その前後の作業に時間がかかります。企画を考え、撮影し、編集し、キャプションを書き、反応を見て次の企画に反映する。この一連の作業を、誰がどれくらいの頻度で担当できるかが最初の分かれ目になります。
- 現場が忙しく、担当を固定できない職人業や店舗業でよくあるパターンです
- 誰かが担当できても片手間になる本来の業務と兼務すると、更新が止まりやすくなります
- 企画から編集まで任せられる人がいるこの場合は内製の土台があります
時間が取れない状態で内製に挑戦すると、最初の数週間は投稿できても、忙しい時期に真っ先に後回しになり、そのまま止まってしまうことが多くなります。
軸2 目的——今すぐ数字が欲しいか、発信力を資産として残したいか
2つ目の軸は目的です。SNSに何を期待しているかによって、外注と内製の向き不向きが変わります。
- 今すぐ結果を出したい新規開業、周年記念、繁忙期前など、期限が決まっている場合です
- 長く発信を続けたい今後も自社の言葉で伝え続けたい場合です
- まだ目的が定まっていないこの場合は、先に戦略診断から始めるほうが遠回りになりません
短期で結果を求めるなら、企画から投稿まで任せる外注のほうが立ち上がりは早くなります。一方、長く続けたい場合は、最初から内製を前提に体制をつくったほうが、後から引き継ぐより効率的です。
軸3 予算——月々の支出を選ぶか、社内の時間を使うか
3つ目の軸は予算です。ただし、ここでいう予算は月々の支払い額だけを指しません。外注は費用がかかる代わりに社内の時間を使わず、内製は費用を抑えられる代わりに社内の時間を使います。どちらも「コスト」であることに変わりはなく、何を払うかが違うだけです。
社内の時間を人件費として計算してみると、実は内製のほうが高くつくケースもあります。逆に、社内に得意な人がいれば、内製のほうが同じ予算でより多くの投稿を出せることもあります。比較するときは、月額の数字だけでなく、実際に動く人の時間まで含めて考えることをおすすめします。
3つの軸の組み合わせで見えてくる、3つの形
時間・目的・予算の3つの軸を組み合わせると、選択肢は大きく3つの形に整理できます。
| 形 | 向いている状況 | 手を動かす人 |
|---|---|---|
| フル外注型 | 時間が取れず、期限が決まった目的がある | 外部の担当者 |
| 内製化・伴走型 | 時間は取れて、長く自社の言葉で発信したい | 自社の担当者 |
| 配分を変える併走型 | 事業のフェーズによって忙しさが変わる | 状況に応じて自社と外部 |
実際には、この3つのどれか一つに固定されるわけではなく、事業の状況に応じて配分を変えていくことも珍しくありません。次の章で、実際の支援でこの3つの形がどう現れたかを紹介します。
実例——3つの形が、実際の支援でどう現れたか
フル外注型が合った例が、麺や一心の10周年企画です。愛媛県西予市野村町のラーメン店で、10周年当日に向けたインタビュー、リールの企画・構成、コンテンツ設計、カウントダウン発信を私たちが担当しました。
目的は10周年当日に向けて期待を育てることとはっきりしており、期間も区切られていたため、企画から投稿設計まで任せていただく形が合っていました。結果として、当日は開店時点で100組以上が順番を待ち、店舗の過去最高売上を記録しています。
内製化・伴走型が合った例は、和風建築専門の左官職人です。現場で働きながら撮影と発信を続ける必要があったため、必要な機材や撮影時に気をつけること、編集しやすい撮り方までを一緒に整え、社内で回せる型をつくりました。
Instagramのフォロワーは約1,000人から1万人へ成長し、1年の伴走を終えたあとも自社で発信を継続しています。時間はかかりましたが、外部に依存しない発信力が社内に残りました。
配分を変える併走型が見えるのは、地域の屋根工事会社の事例です。もともと自社で広告を運用していましたが、問い合わせと受注が増えて現場が忙しくなった段階で、広告運用を私たちが引き受ける形へ切り替えました。
その後もYouTubeやInstagramでの発信を採用の場面で活用するなど、事業のフェーズが変わるたびに、外に任せる範囲と自社で持つ範囲を見直しています。固定した答えを決めるのではなく、状況に合わせて配分を調整し続けている例です。
まとめ——3つの軸は、一度決めたら終わりではありません
SNS運用を外注するか内製化するか迷ったら、まず時間・目的・予算の3つの軸で自社の状況を整理してみてください。
- 時間を確認する投稿の企画から編集まで、社内で継続して担当できる時間があるかを見ます
- 目的を確認する期限が決まった目的なのか、長く発信を続けたい目的なのかを見ます
- 予算の意味を確認する月々の支払いだけでなく、社内の時間もコストに含めて比べます
- 固定しすぎない事業のフェーズが変われば、外注と内製の配分も見直してよいと考えます
自社の場合はどの形が合うのか一緒に整理したい方は、SNS集客支援・料金一覧のページもあわせてご覧ください。
よくあるご質問
外注と内製、費用を比べるとどちらが安いですか?
月々の支払い額だけを比べると、内製のほうが安く見えることが多いのですが、社内の担当者が投稿にかける時間を含めて考えると、単純には比較できません。企画・撮影・編集・分析にかかる時間を実際の人件費として置き換えてみると、内製のほうが高くついているケースもあります。比較するときは、月額だけでなく、誰がどれだけの時間を使うのかまで含めて考えることをおすすめします。
最初は内製で始めて、後から外注に切り替えることはできますか?
できます。むしろ、事業のフェーズに合わせて配分を見直すのは自然な流れです。地域の屋根工事会社の事例のように、自社で担当していた業務が忙しさで手が回らなくなった段階で、一部を外に任せる形へ切り替えることもあります。逆に、外注から始めて型が見えてきた段階で、内製へ引き取っていくケースもあります。どちらの方向にも切り替えられるよう、契約期間や引き継ぎの前提を最初に確認しておくと安心です。
3つの軸のうち、最初にどれを確認すればいいですか?
基本は時間からです。目的や予算が明確でも、社内に投稿を作り続ける時間がまったく取れない状態では、内製という選択肢自体が成立しません。まず時間があるかどうかを確認し、次に目的、最後に予算の意味を整理していくと、判断がぶれにくくなります。時間が取れないと分かった時点で、外注か、時間のかからない範囲の内製かという現実的な選択肢に絞り込めます。
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