WORKS

施工のドキュメンタリーが、新しい仕事を連れてくる。

和風建築専門の左官職人として、技術そのものを映像で届ける。ポジショニングから導線設計、発信の内製化までを伴走し、紹介を待つだけだった状態から、新しい相談が生まれる基盤を育てました。

大津磨きの壁を仕上げる左官職人の手元

技術の高さに加え、土壁や大磨きなど、左官職人が憧れる仕事を得意とする職人チームです。ねざしマーケティングは、和風建築専門という立ち位置を明確にし、必要な相手へ仕事ぶりが届く集客と発信の基盤を一緒に作りました。

業種左官・和風建築
当初の状態既存の取引先や知り合いからの依頼が中心で、新規の問い合わせを戦略的に作れていませんでした。
ご支援内容ポジショニング、ユーザーインタビュー、カスタマージャーニー、ホームページ、コンテンツ戦略、SNS・YouTubeの内製化を支援しました。
主な成果Instagramは約1,000フォロワーから1万人へ成長し、施工動画は35万回以上再生されました。設計事務所・施工会社・施主からの新規相談が安定しました。

課題

実現したいこと

施工会社や設計事務所から、「この仕事ならこの左官職人に任せたい」と選ばれること。さらに、家づくりにこだわる施主からも直接相談が入ることです。そのために、技術の価値と仕事の世界観が、必要な相手へ正しく伝わる仕組みを作る必要がありました。

まず、「どういう左官職人か」を決めました。

技術が高いだけでは、選ばれる理由になりません。土壁や大磨きといった強みを掘り下げ、「和風建築専門の左官職人」というポジションを明確にしました。

狙う相手は、ふたつに分けました。

仕事の発生源はひとつではありません。設計事務所・施工会社と、家づくりを考える施主では、知りたいことも依頼に至るまでの流れも異なります。両方を同じ発信で済ませず、それぞれの導線を設計しました。

施工会社・設計事務所技術の確かさ、対応できる仕事、現場での進め方を理解してもらい、新しい取引の相談につなげます。
施主どんな家を作りたいかという思いを受け取り、左官の仕事が暮らしにどう関わるのかを伝えて、指名相談につなげます。
鏝を使って大津磨きの壁を仕上げる左官職人の手元

職人の技術と仕上がりの美しさを、言葉だけではなく視覚でも伝えました。

実際のお客様から、
カスタマージャーニーを作りました。

架空のペルソナを置くのではなく、これまでに仕事を依頼した施工会社や施主へ、5人のユーザーインタビューを実施しました。

どこで知り、何を確かめ、次の依頼へつながるのかをたどりました。

仕事が生まれたきっかけ、比較した情報、依頼を決めた理由、施工後に感じたことまでを聞き取りました。その流れをもとに、各段階で必要な情報と接点を整理し、理想のカスタマージャーニーを作りました。

年配施主、若者施主、設計会社の本質的なニーズを整理したペルソナ資料

依頼者ごとの行動だけでなく、その奥にある本質的な欲求まで整理しました。

施工会社と施主の顧客導線を整理したカスタマージャーニーマップ

インタビューをもとに、3つの顧客像それぞれの接点、感情、必要な情報を可視化しました。

情報発信は、媒体ではなく役割から決めました。

ホームページは信頼と事例を確かめる拠点にし、InstagramとYouTubeは仕事ぶりを見せる場にしました。ブログや施工事例は、検索から来た方の疑問に答える資産として積み上げました。媒体ごとの役割が決まったことで、発信が一本の導線としてつながりました。

「何を出せば見てもらえるか」を、
一緒に探りました。

カスタマージャーニーをもとにコンテンツプランを作り、誰に何を感じてもらうか、どんな見せ方が仕事の魅力を最も伝えるかを、実際の反応から検証しました。

仮説:左官の手仕事を、映画のワンシーンのように見せる。

鏝を動かす手、身体の使い方、土や壁が美しく仕上がっていく変化には、説明だけでは伝わらない迫力があります。施工の過程を短いドキュメンタリーのように編集すれば、和風建築専門の左官職人としての技術と世界観が伝わると考えました。

検証:反応を見ながら、コンテンツフィットを探す。

出したい内容を一方的に出すのではなく、ペルソナごとの訴求、撮り方、編集、尺、テーマを見直し続けました。投稿ごとの反応を振り返り、コンテンツが必要な相手に届いているかを確かめながら、PDCAを回しました。

内製化:撮影も、Web集客のための仕事にする。

現場で働く職人にとって、撮影は最初から自然にできる業務ではありません。必要な機材、撮影時に気をつけること、編集しやすい撮り方までを一緒に整えました。「撮影も仕事の一部」と捉え直し、少しずつ継続できる体制へ変えていきました。

Instagram本格運用から2か月目、施工動画が大きく届きました。

  • Instagramのフォロワーは約1,000人から、1本の投稿をきっかけに1万人へ増えました。
  • 施工動画は35万回以上再生され、左官の仕事ぶりが一気に多くの人へ届きました。
  • 既存の取引先からの声かけが増え、新しい施工会社・設計事務所からの引き合いも生まれました。
  • 施主からも、「こういう家を作りたい」という具体的な相談が入るようになりました。

バズは偶然ではなく、導線が機能し始めた合図でした。

1本の動画が広がったことだけが成果ではありません。その前から、ホームページを動かし、YouTubeの長尺動画を出し、施工事例を積み上げ、必要な情報を探せる状態を作っていました。動画で興味を持った方が、他の情報にも触れ、問い合わせへ進める基盤があったからこそ、成果が一過性で終わりませんでした。

35万回以上再生されたInstagram施工動画の投稿画面

35万回以上再生された投稿が、発信全体を動かす大きな転機になりました。

発信を続けるなかで、
「求められる仕事」も見えてきました。

発信を通じて集まった相談から、土や自然素材に興味を持ち、自分の家づくりで試したい施主や施工会社が少なくないことが分かりました。

現場の土を使った家づくりなど、実験的な相談が増えました。

「その土地の土を使いたい」「自然素材で家を作りたい」という思いを持つ方が、技術と考え方の合う職人を探していました。コンテンツで仕事の姿勢や実例を見せ続けたことで、こうした挑戦的なプロジェクトの依頼が集まるようになりました。

発信が、新しいポジションを言葉にする材料になりました。

当初からすべてのニーズが見えていたわけではありません。お客様の反応と相談内容を受け取り続けたことで、「和風建築専門の左官職人」という立ち位置が、自然素材や土地の個性を生かした家づくりを実現する存在へ、より具体的に育っていきました。

結果

Instagramのユーザー数が月に約5,000人増加した記録

コンテンツが広がった時期には、Instagramのユーザー数が月に約5,000人増加しました。

  • 既存の紹介を待つだけではなく、新しい施工会社・設計事務所・施主からの相談が入る基盤ができました。
  • Instagramは約1,000フォロワーから1万人へ成長し、施工動画は35万回以上再生されました。
  • 和風建築や自然素材の家づくりに取り組みたい相手から、技術と考え方を理解したうえで声がかかるようになりました。
  • ホームページ、Instagram、YouTubeを自社で継続して運用できる体制が残りました。

1年の伴走後、発信は自走へ移りました。

プロジェクト開始から半年ほどで情報発信の土台を作り、8か月目に大きな反応を得ました。その後は再現性のあるテーマと見せ方をつかみ、1年間の支援を終えたあとも、自社でホームページとSNSの発信を継続しています。伴走支援が、そのまま社内に残る仕組みになった事例です。

まとめ

職人の技術を発信することは、ただ動画を投稿することではありません。誰に何を届けるかを考え、仕事の魅力が最も伝わる形を見つけ、続けられる体制にすることです。ねざしマーケティングは、現場にある強みを言葉と映像へ変え、新しい仕事が生まれる導線と、続けられる運用を一緒に作ります。

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