COLUMN

採用SNSの始め方——情報発信ゼロの会社がスマホ1台から踏み出す最初の一歩を解説します

情報発信を何もしていない中小企業向けに、採用SNSの始め方を整理します。応募が来ない本当の理由、発信ゼロで起きる3つの機会損失、スマホ1台で始める4つのステップ、自社・伴走・おまかせの体制の選び方まで解説します。

公開日:

三沢裕樹

読了目安 約6分 SNS集客

朝の光が差すクリーム色の回廊で、金色に光るアーチへ続く白い飛び石をひとつずつ床に置く作業着姿の男性
目次
  1. 01 応募が来ないのは、会社の中身より「知られていない」ことが原因かもしれません
  2. 02 発信ゼロの会社で起きている3つの機会損失
  3. 03 求人媒体が「待つ」採用なら、SNSは「見つけてもらいに行く」採用です
  4. 04 最初の一歩は4つ——スマホ1台で今週から始められます
  5. 05 「バズらせないと意味がない」は誤解です
  6. 06 続ける体制は3つの形から選べます
  7. 07 まとめ——発信ゼロは、いちばん伸びしろのある状態です
  8. 08 よくあるご質問

「うちは悪い会社じゃないと思うんです。でも応募が来ない」——愛媛の経営者の方から、そんな相談をよく受けます。話を伺うと、会社の情報がネット上にほとんど存在しない、というケースが少なくありません。このコラムでは、情報発信をまだ何もしていない会社が、採用のために踏み出す最初の一歩を整理します。完璧は目指しません。スマホ1台あれば今週から始められる内容です。

応募が来ないのは、会社の中身より「知られていない」ことが原因かもしれません

いま、大手企業は新卒・中途ともに採用の枠を広げています。求職者の側から見ると、小さな会社をわざわざ探さなくても内定が取れる状況です。この環境では、仕事の内容や待遇がどれだけ良くても、「存在を知られていない」というだけで採用の土俵に上がれません。

さらに、求人媒体には構造的な弱点があります。届くのは「その仕事を検索した人」だけ、という点です。屋根の板金や左官のように、仕事ぶりを間近で見る機会が少ない職種ほど、求人票の文字情報だけでは働く姿を想像してもらえません。仕事の中身が知られていない業種こそ、文字以外の伝え方が必要になります。

発信ゼロの会社で起きている3つの機会損失

損失起きていること
01 候補に入れない応募前に社名で検索され、何も出てこない時点で静かに見送られます
02 条件だけで比べられる文字の求人票では給与・休日・残業時間の比較になり、大手に分があります
03 入社後にすれ違う事前に伝わる情報が少ないほど「思っていた仕事と違った」が起きやすくなります

特に若い世代は、応募の前に企業のSNSを見て職場の雰囲気を確かめる行動が当たり前になっています。求職者が応募までにたどる流れは愛媛の採用SNSのコラムで詳しく整理していますが、発信ゼロの会社は「調べられた瞬間に候補から外れる」という目に見えない機会損失を、毎日積み重ねている状態です。

3つ目のすれ違いは、お金の面でも軽くありません。入社前に職場の様子が伝わっていないと、早期離職が起きやすくなります。採用にかけた費用と教育にかけた時間が戻らないまま、また募集からやり直しです。採用活動そのものの費用より、この「合わない採用のやり直し」の方が経営に響いている会社は多いと感じます。

実際にご相談を受けていても、良い会社なのに自社の発信力がない会社ほど、採用が求人媒体頼みになっています。そうなると会社の魅力や実際の働き方が求職者に伝わらないため、マッチングの精度が下がり、採用コストだけが膨らんでいく——という現象が起こりがちです。裏を返せば、こういう会社こそ、自社の情報発信に取り組むことで採用活動が劇的に改善していく余地を持っています。

求人媒体が「待つ」採用なら、SNSは「見つけてもらいに行く」採用です

求人媒体は、いま仕事を探している人が検索して訪れる場所です。つまり構造として「待ち」の採用です。一方でSNS、特に動画や写真の投稿は、転職を考えていない人のタイムラインにも自然と流れていきます。「今は探していないけれど、この会社ちょっといいな」と思ってもらえる層に、こちらから会いに行けるのがSNSの持ち味です。

私たちが伴走している屋根工事会社では、集客のために始めたYouTubeやInstagramの発信が、働く人や社内の様子を映すうちに採用へ波及しました。会社の空気を見たうえで応募してくれる人が増え、離職率の改善にもつながっています(屋根工事会社の実績ページ)。和風建築専門の左官職人の事例でも、施工の様子を追った投稿がきっかけでフォロワーが約1,000人から1万人へ増え、新しい仕事の相談が届くようになりました(左官職人の実績ページ)。

もちろん、どの会社でも同じ結果になるとは限りません。ただ、どちらの例にも共通するのは「特別な演出ではなく、普段の仕事を見せたこと」です。ここが、発信ゼロの会社にとっての希望だと考えています。

最初の一歩は4つ——スマホ1台で今週から始められます

ステップやること
STEP 01自社の「当たり前」をひとつ言葉にします
STEP 02現場の日常をスマホで1枚撮ります
STEP 03無料のアカウントを作り、まず1本投稿します
STEP 04反応の数字ではなく「続けられそうか」で振り返ります

STEP 01の「当たり前」とは、社内では誰も褒めないけれど、外から見ると価値のあることです。道具の手入れを欠かさない、朝礼で必ず全員の顔を見る、失敗を責めない——そんな日常こそが、他社には真似できない強みの種になります。逆に、他社のバズった投稿を真似しても自社らしさは伝わらず、入社後のすれ違いのもとになります。

STEP 02に機材も企画も要りません。作業中の手元、道具が並んだ倉庫、休憩中の何気ない一コマで十分です。求人票には書けない情報が、写真1枚にはすでに写っています。STEP 03も同じで、凝ったプロフィールを作り込む前に、まず1本投稿してみることをおすすめします。

「バズらせないと意味がない」は誤解です

採用のSNSでいちばん多い誤解が、これです。採用の発信は世間へ広く知らせるためのものではなく、求人票やご縁で会社を知った人が「確認しに来る場所」を用意するものです。社名で検索した求職者に、働く人の顔と現場の空気が伝わればまず十分で、バズる必要はありません。

そして、発信は積み立て型の取り組みです。始めてから最初の応募につながるまで、2〜3ヶ月かかることは珍しくありません。今週の投稿は、半年後・1年後の採用を楽にするための貯金だと捉えて、フォロワー数や再生数に一喜一憂せず、続けられるペースを守ってください。何を投稿するかの具体的な型は愛媛の採用SNSのコラムにまとめています。

続ける体制は3つの形から選べます

向いている会社と注意点
自社でやる費用を抑えて始めたい会社に向きます。運用に月数十時間かかる場合もあるため、無理のない本数設定が前提です
撮影は自社×企画は伴走現場の空気は自分たちで撮り、見せ方や企画はプロの目を借りる形です。社内に撮れる人が一人いれば成り立ちます
まるごと任せる社内にどうしても手がない会社向けです。「自社らしさ」がどこまで反映されるかは契約前の確認が必要です

どの形が合うかは、募集職種と社内で用意できる素材によって変わります。ねざしマーケティングでは、採用ページの整備から月額の伴走運用、現場への撮影同行、将来の内製化支援まで、段階に合わせた形を用意しています。具体的な内容と料金は採用SNS・採用サイト支援のサービスページで公開しています。すでに集客用のSNSを動かしている会社なら、その延長に採用向けの投稿を組み込む形も選べます(SNS集客支援・Instagram運用のページ)。

まとめ——発信ゼロは、いちばん伸びしろのある状態です

  • 応募が来ない原因は、会社の良し悪しの前に「知られていない」ことにあります
  • 最初の一歩は、強みをひとつ言葉にして、現場を1枚撮るその小ささで十分です
  • バズは要りません。社名検索した人に職場の空気が伝わることを目指します
  • 体制は「自社・伴走・おまかせ」の3つから、素材と余力に合わせて選べます

発信を何もしてこなかった会社は、裏を返せば、これから伝えられることが社内にまるごと眠っている会社です。何から手をつけるか迷ったら、募集したい職種と社内で撮れそうな素材のことだけ頭に置いて、無料相談にお越しください。最初の一歩の踏み出し方から、一緒に整理します。

#採用#はじめ方#Instagram#愛媛

よくあるご質問

採用のためのSNSは、どれを選べばいいですか?

採用したい年代がよく見ているSNSから選ぶのが基本です。10〜20代が中心ならInstagramやTikTok、幅広い年代に届けたいならYouTubeという傾向はありますが、どの会社にも当てはまる正解はありません。それよりも「続けられるか」を優先し、社内で用意しやすい素材(写真か動画か)から逆算して、まずは一つに絞ることをおすすめします。

発信は誰が担当するのがいいですか?

専任の広報がいない会社では、経営者ご本人か、現場をよく知る社員が向いています。現場を知っている人の言葉には、それだけで説得力が宿るためです。ただし一人に負担が偏ると止まりやすいので、撮る人と投稿する人を分けるなど、小さく分担できる形もあわせて検討してみてください。

社員が顔出しを嫌がります。それでも発信できますか?

できます。手元の作業、後ろ姿、道具や現場の風景だけでも、職場の空気は十分に伝わります。無理に顔出しをお願いすると社内の反発を招き、発信そのものが止まってしまいます。本人の意向を確認しながら、映れる人・映せる範囲で進めることが長続きのコツです。

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